2023.9.27
_SHIP のはじめです。
コーヒーが大好きなkombuchaブリュワーとしてそんな自分が出来ること…がついにカタチになりました。
コーヒーの焙煎時に出る豆殻chaffを活用したアップサイクル飲料「chaff KOMBUCHA」をリリースします!
圧倒的なマーケットを持つコーヒー業界に触れること1年。
日本にコーヒー文化が浸透する過程から分解して、その延長線上にコンブチャが交われるか…という大胆不適なアイデアからスタート。
茶葉とコーヒーの組み合わせを模索するのはもちろん、LEAVES COFFEEさんとご縁を頂いて2023年7月7日にcoffee kombuchaのボトルをリリース。
この1年間はコーヒーのことばかり考えていました。
その活動から見えてきた「chaff」という素材。大豆のようなミルキーな香ばしさ。
当初、chaffという素材のことは全く知らず、coffee kombuchaの開発をきっかけにコーヒーの現場にお邪魔させて頂く中で、焙煎後の店舗に訪れたことがきっかけでした。
ロースタリーではついさっきまでコーヒーが焼かれていた熱気のような余韻に
気持ち良さを感じる一方で、店舗の片隅に山積みになった麻袋。
どこか様子が違う。
豆が入っているパンパンに腫れた状態でなく、クッションのように膨らんでいる。
興味本位で中を見せてもらうと黄金色の繭のようなものが山盛りに入っていて、それが何段にも積み重なっていた。
麻袋を開くとそこにあったのは大量のchaff。
コーヒー豆を焙煎する際に剥がれ落ちる薄皮で、ロースタリーでは破棄されている割合が高い素材。堆肥にされることも多いそう。
手に取ると、嵩以上にほとんど重さはなく空気を掴んでいるよう。
変なタイミングで息をするとあっという間にあたり一面がchaffだらけ。
「すいません!」っと、謝る僕に「そういうものですよ」と。
周りに散らばったchaffはすぐ箒で掃除されていました。現場目線だと散らかりやすいし中々厄介だなーっという初見。
家に帰る道中、コーヒーのモノづくりの現場を体験して、妙に頭に残っていることはchaff。
もしかしたらと思い、後日無理を言って100g程頂戴することに。
早速、川口のブリュワリーに持ち帰る。
なんにもchaffのことはわからないので、取り敢えずお湯で抽出。
コーヒーが感じられたら儲けもんだなーくらいに思って飲んでみると…意外に美味しいぞ。
香ばしい感じは麦茶のようで、紅茶のような華やかさも若干ある。
ボディが弱かったので、抽出時間を変えて入れると、えぐみが出てきた。
でもこのあたりから、もしかしたらこれにコンブチャの発酵由来の果実味を足せば、ドリンクが出来るかもしれない!
そこから、抽出温度だけでなく、焙煎直後だと焙煎の香りが強すぎるので、エイジングの方法を色々と試して、手間をかけてあげるとすっきりとした美味しいchaff teaが作れた。
ひと月ほど置くと焙煎香は落ち着く一方で、chaffの風合いが感じにくくなる。
少しだけ焙煎直後の物を混ぜたり、足りない味わいはお茶で補填したりもした。
真面目な話をすると、chaffに関して対話を重ねていくと、日本はロースタリーが4000件を超え毎年増えているとか。
chaffの量も増加している。ちなみに1kgの豆の焙煎で約100gチャフがでるそう。
燃えやすい素材だったりで水をかける仕様にしている焙煎機もあるみたい。
あと、僕はカフェを巡るとコーヒーを飲みたいのではなく、「この場所に行きたい」「雰囲気を感じたい」「作業したい」「店員さんに会いたい」という理由でカフェに行くことも多い。
その時にコーヒーを飲みすぎたな…と思ってコーヒー以外で選べるのはレモネードやジュース。
そんなに甘いのは飲みたくないという理由で、またコーヒーを選ぶ。
結果、コーヒー飲みすぎた…という経験はありませんか?
そこに僕はコンブチャがあったらいいなと思った。
ただコンブチャを置くのではなく、コーヒーの現場から出る素材を活用してコンブチャを作ることで、
コンブチャ一つからストーリーが生まれて、会話がうまれる
そんなドリンクがあったらいいなと考えた。
コーヒーと繋がるお客様が「このドリンクは何?」と聞きたくなるような
コミュニケーションが生み出せるドリンクを作りたい。
それぞれの店舗で、環境に配慮した取り組みを活発に行われている中で、業界全体として共通の課題に向き合うことは大きなメッセージになりえると思えた。
そこで、_SHIPとして勝手ながら横断的な取り組みを提案。
大泉工場は素敵な環境を創造することを大事にしており、今回の取り組みはまさに体現できる企画なのではないかと。
ロースターの方々のチャフを集めて一つに混ぜ合わせて発酵させることで、コーヒーコミュニティにコンブチャにしかできない横櫛を刺せるんじゃないかと、まぁ迷惑な使命感が生まれてきた。
コンブチャを知って、コーヒーを扱う店舗で生まれる素朴な素材を利活用することにわくわくしながら、どうしたら美味しいchaff KOMBUCHAが作れるのか検証する日々が始まる。
そして2023年7月。
これならコンブチャを技法とするアップサイクルのドリンクが作れるかもしないというやり方にたどり着いた。
その後、一軒一軒ロースタリーを回り、「これでコンブチャを作りたいんです」「コーヒーコミュニティ全体で、一つのドリンク作りませんか?」とお話していく中で、6つのロースタリーからchaffを提供頂けることに。
改めて感謝申し上げます。
その集大成とも言えるchaff kombuchaをコーヒーに特化したイベントとして
アジア最大の国際見本市のCoffee Villageで9月28日(木)、29日(金)に試飲会を開催。
9月30日(土)からは川口のbrewery/taproomと西麻布の直営店限定で少量ですが販売予定。
ロースタリーでは破棄されている割合が高い素材。そのchaffを活用し、コンブチャの技法を通じてつくりあげたのが「chaff KOMBUCHA」
コンブチャの新たな可能性とコーヒー豆からでるchaffの新たな活用をみなさんと共有したい。
ぜひお越しください!
余談
chaffというワードを検索すると、海外でビール原料を販売しているサイトで
「cacao chaff」がヒット。素材は「cacao husk」なのだけども、外皮ということなんだろう。
産地別に原料が産地の個性を売りに販売されているので、コーヒー豆を買うように、
chaffをtea原料として棚に並ぶ日が訪れるかも。
(引用元: https://shop.greatfermentations.com/product/cacao-chaff-peru-8-oz/beer-brewing-herbs-spices)
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