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COLUMN

「オーガニック」がもたらす世界〜永田茶園の場合

2025.3.21

こんにちは、お元気におすごしでしょうか。

やっとあたかかくなってきた・・・と思ったら、季節外れの雪が、信州にも舞い降りました。朝、窓を開けてこの冬いちばんの積雪にびっくり! 三寒四温とはまさにこのこと、引き続き体調管理にも気をつけたいものですね。

 

さて、以前ここで掲載した「有機JAS認証はだれのため?」の記事には、いつにも増して多くの反響をいただきました。ありがとうございました!

みなさんの有機農業・オーガニックへの関心の高さを受けて、今回はこの記事に続くお話ができればと思います。

 

このページをご覧になっている方はすでにご存知かもしれませんが、_SHIP KOMBUCHAは素材から加工までオーガニックにこだわり、日本で唯一「有機JAS認証」を取得しているコンブチャです。

 

ということは、コンブチャの主原料のひとつである「茶葉」も、もちろん有機のもの。砂糖やシソなども、すべてJAS有機認証を取得したものが選ばれています。

 

では、ここで一旦立ち止まってみましょう。

なぜ、_SHIPは”有機”原料にこだわるのでしょう。

 

 

なんとなく安全そう、おいしそう…… と、イメージはあるけれど、実際のところは……? それを一番端的に説明できるものこそ、有機農業を実践されている生産者さんお一人おひとりのライフヒストリーだと、私は考えています。

たくさんの困難を乗り越えてまで、有機を実践し続ける生産者さんの「これまで」をたどっていくと、有機を選択した理由とともに、それぞれが有機栽培を通じて叶えたい未来や、思い描く理想などが見えてきて。

「そうか、だから有機なんだ」と、染み入るように理解できる気がするのです。

 

 

たとえば、_SHIP KOMBUCHAの原料のお茶を栽培する「永田茶園」さんの場合。

 

昭和初期、若干15歳で茶園の前身となるお茶問屋を創業した永田愛二郎さんの転機は、じつはご自身の体の不調だったのだそう。農林大臣賞を受賞するほど高い焙煎技術を習得したものの、気づけば日々体調不良に悩まされるようになった、愛二郎さん。

ふと、

「自分の体調が悪いのは、毎日飲んでいるこのお茶のせいかもしれない」

そう思い至った愛二郎さんは茶問屋を辞め、一念発起。1970年、50歳のときに、農薬も化学肥料も使わない有機栽培への挑戦を決意したのだといいます。

創業者 永田愛二郎さん。

 

農薬散布による環境汚染が深刻だった当時、「トンボが飛ぶ茶畑のお茶を届けたい」を理想に掲げ、手作業での雑草取りや有機質の土づくりを行い、試行錯誤のなか有機栽培のお茶栽培という道なき道を切り拓いていった、愛二郎さん。

その挑戦を39歳で受け継いだのが、息子であり現会長の幸吉さんです。

 

幸吉さんもまた、39歳まで呉服問屋勤務というお茶農家とはまったく異なるキャリアを歩んでいましたが、家業を継ごうと有機のお茶農家になることを決意。農機具の使い方から土づくりの基本、肥料の知識などなどを猛勉強する日々から歩みをスタートさせました。

 

きめ細かな手作業を惜しまない栽培管理と、豊かな土づくりによって生命力豊かな茶葉を育てるのが、永田茶園のモットー。クモやトンボ、てんとう虫やカマキリなどが増えることで、アブラムシなど害虫の被害が抑えられていくーー。

永田茶園が管理する茶畑には、そんな自然のサイクルが息づいています。

 

農業=自然と考えてしまいますが、考えてみると農地とは、人間が生きる糧を得るために切り開き、不自然をもたらした土地とも言うことができます。

 

その土地と人とが、どう関わっていくか。つまり、農薬や化学肥料を多用してしまうのか、自然の力を生かした循環や再生型の農業を行うのかは、周辺も含めた環境に影響を及ぼしていきます。

そして、私が有機農家さんの畑を訪ねてつねづね感じるのは、「農地で人の生きる糧を得ながら、そこに均衡のとれた自然を再構築している人」だということです。その姿はいつも美しく、多様な命の力に満ちています。

そうした畑で得られる作物を選ぶ、さらに加工してKOMBUCHAにする、ということは、それを口にする私たちの力になるだけでなく、茶畑とその周囲も含めた環境を守り、トンボ舞う豊かな世界を広げていくことにもつながっていくはずーーー。そんなところにも、オーガニックの大切な意味があるのだと感じます。

 

 

そして、ちょっと余談を。

じつは永田茶園の現会長・永田幸吉さん、今につながる日本の有機認証制度確立の基礎をつくったお一人だということを、ご存知でしょうか。

 

幸吉さんは「グリーンティ」への関心が世界からの集まるようになると、自社のお茶の品質を国内外の人にたしかに伝えるべく、ドイツの専門家や東京のお茶関連会社6社らで「日本有機農業協会(NYNK)」を設立。これが、日本で最初のオーガニック認証団体「日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)」の前身組織となったのです。

 

日本におけるオーガニックの品質を担保する有機有機JASマーク、この認証を行う団体が、幸吉さんをはじめとするみなさんの尽力によってつくられた。そんなことを知って飲むと、いつもの_SHIP KOMBUCHAにさらにパワーを感じてしまいます。

 

いつもよりちょっと熱く、お勉強的な内容となってしまいました!

不明点も含めて、ぜひ、感想をお寄せいただけたら嬉しいです。

ではではまたお会いしましょう!

 

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writer:玉木美企子

https://www.instagram.com/mikiko0705/?hl=ja

 

photographer:佐々木健太

https://sasakiphotograph.com/

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