2021.3.29
KOMBUCHA_SHIPに関連する
「発酵」「微生物について」の話題を取り上げるコラム。
一緒にkombucha(コンブチャ)の共同研究をしている
高崎健康福祉大学 岡田先生、辻先生に聞いたシリーズ
「知らなかった!発酵の世界」をお届けします。
――微生物はどのようなものを生み出し、何を分解しているのでしょうか?――
地球上の全体でいうと、生産者である植物は光合成で有機物を作り、
それを食べるのが動物。植物と動物が共存して生活しています。
植物は落ち葉など堆積し、動物はいずれ死骸になります。
その死骸を微生物や小動物などの生物が分解します。
生物が分解しなければ、その死骸は地球上に堆積し続けますよね。
堆積したものを分解するのが、「分解者」である微生物です。
その分解した産物が微生物の「生産物」となります。
――よくスーパーなどで売られている漬物など「発酵、熟成」と書いてある商品が置いてありますが、
違いを教えてください!!――
「熟成」は微生物がいなくても樽に貯蔵している食品が入っているだけで進行します。例えば、時間の経過とともに樽の木の香りが付く、瓶の中で落ち着いた味に変わるワインやウイスキーなどが「熟成」にあたります。「発酵」に関しては、微生物が何かに影響するものになります。
「微生物=分解者」となり、微生物は何らかの成分を別のものに変えています。甘い部分が酸に変わって「酸っぱさ」が付いたりアルコール類を作ることによって香りが良くなるなど成分の変化が起こっている場合は「発酵」となります。微生物由来の何かの成分が増える場合は「発酵」。
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・微生物がいる=発酵
・微生物がいない=熟成
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で分けられます。
例えば、味噌。味噌にいる微生物は麹菌、酵母、乳酸菌です。
麹菌はでんぷんやたんぱく質を分解します。
つまり、麹菌によって
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・でんぷん→ブドウ糖に分解。
・たんぱく質→アミノ酸に分解。
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になります。
味噌の中で乳酸菌が生きることで生成物として「乳酸」を作ります。
酵母が生きることで「アルコール」を生成させます。
これが菌による「発酵産物」となる訳です。
発酵の段階が終了した後、
菌による発酵産物の「乳酸」と酵母が作った「アルコール」は他の成分と結合します。
そして、次の化合物(香りが良くなるなど)が生み出されます。
「アミノ酸と糖が反応」
「アミノ酸と乳酸が反応」など
いろんな化学変化が起こってきます。
発酵で出来たものが、その後、保存や貯蔵中に起こる化学反応を「熟成」と言います。
「発酵」は微生物がそこにあるものを発酵させ、
アミノ酸やブドウ糖、乳酸、酢酸、アルコールを作るのが微生物の「発酵」になります。
――発酵と熟成は複合的に行われて美味しい味わいができるのですね。
分解者=微生物。菌と言われるものはすべて微生物なのでしょうか?――
学問的に言えば、菌は「カビ」と「酵母」を指します。
「細菌類」と「ウイルス」を含めて全体を微生物。
しかし、一般的に言うと、菌は微生物と解釈される方もいらっしゃるので、それも良いと思います。
次回コラム、
健大の岡田先生、辻先生に聞いた「知らなかった!発酵の世界」
「微生物の大きさを教えて先生!!」に続く
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